Saturday 18 July 2020

2020年7月18日

好きだった俳優が死んだ。思いもよらぬ死だった。1歳も違わない、ほとんど同い年だ。ファンと呼べるほどではないが、彼の出演してた作品が好きで、彼の演技も好きで、舞台も見に行きたいと思っていた。もう二度と見ることの叶わない彼の舞台に。

まだ信じられない。彼は私たちと同じように年を重ねて、演技に磨きをかけて、渋さも増して、おじさんになっても、少なくとも芸能界を引退するまでは、いろんな表情や仕草を見せてくれると思っていた。それがもう見られないのだと、私の中で彼はいつまでも30歳の姿で、あるいはそれ以前の写真や映像だけが残されていて、私だけが年をとるのだと、素直には受け入れられずにいる。

多くの人が死んできた、歌手でも俳優でも。多くの人が悲しんできた、でもすぐに忘れていく。どうせ。けれど今回はなぜか、これまで以上に悲しかった。年が近いせいだろうか?自分だけ(もちろん、大勢の人が他にもいるわけだけど)が年を取るという感覚、虚しさのようなもの、それをこれから幾度か味わうことになるだろう事実を突きつけられて、胸がしめつけられた。この気持ちを忘れたくない、彼がいたことを忘れたくないと思って、ここに書き残すことにした。